ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)
ASDは、社会的なコミュニケーションや対人関係に困難を伴う発達障害の分類です。この障害は、自閉症、アスペルガー症候群、PDD-NOS(特定不能の広汎性発達障害)を含み、DSM-5によって一つのカテゴリーに統一されました。
特徴
- 社会的コミュニケーションの課題
- 他の人との会話がスムーズに進まない
- 言葉の発達が遅い、あるいは反復して話す
- 視線を合わせたり、他人の動きを真似るのが苦手
- 限られた興味や行動
- 特定の対象への強いこだわり
- 感覚が過敏または鈍い
- 繰り返しの行動や言葉遣いが見られる
診断の基準
ASDの診断は、以下のDSM-5の基準を元に行われます。
- 社会的コミュニケーションや対人相互作用の持続的な欠如
- 限定された反復的な行動様式や興味
- 発達初期からの症状の存在
- 社会的機能の障害
- 知的障害や発達遅延では説明できない
発生率と原因
ASDは人口の約1%に見られ、男性に多く、女性はそれに比べて発症率が低いとされています。原因は未解明ですが、遺伝的な要因や胎内環境が関与していると考えられています。親の育て方が原因ではないことが明らかになっています。
治療と支援策
ASDを根本から治療する方法は現在ありませんが、個人の発達に応じた教育や療育が重要です。症状を緩和するための薬物療法も可能で、専門家の指導のもとで適切な支援を受けることが推奨されます。