障害者雇用向けサテライトオフィスとは?メリットや費用について解説
- 公開日:
- 2025.02.13
- 最終更新日:
- 2025.04.23

サテライトオフィスとは、配属先の企業以外の場所に用意されたオフィスのことです。自宅で働く在宅勤務とともに、オフィス以外の場所で働くテレワークの一つとして、障害者雇用でもサテライトオフィスが活用されています。
この記事では、障害者雇用におけるサテライトオフィスを取り上げて、メリットやデメリット、導入の流れのほか、障害者雇用サテライトオフィス4社を取り上げて紹介します。
サテライトオフィスの導入を考えている企業の担当者の方はもちろんのこと、サテライトオフィスで働きたいと考えている障害者の方はぜひご参考ください。
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目次
障害者雇用サテライトオフィスとは
サテライトオフィスとは、自分が所属する会社以外の場所に構えられたオフィスで勤務する形態を指します。障害者雇用におけるサテライトオフィスは、障害者が働きやすい環境の整備の一環として、採用されるケースが多くみられます。
例えば、障害者雇用を促進するために、現在ある設備のバリアフリー化を図る場合、膨大なコストがかかりますが、サテライトオフィスで雇用すれば環境整備の手間やコスト等を削減することができます。
また、支援員が常駐するのが一般的となっており、勤務中に体調を崩した場合のサポートや、業務に関しての相談は支援員が対応するため、通常のオフィスで勤務するよりも手厚いフォローが期待できます。
障害者雇用をサポートするサテライトオフィスのメリット
障害者用のサテライトオフィスのメリットについて、導入する企業側と利用する障害者側、2つの視点からご説明します。
企業側のメリット
障害者を対象にしたサテライトオフィスを導入することで、企業が得られるメリットには次の3つがあります。
- 法定雇用率の達成
- 安定した障害者雇用の確保
- コスト削減
1.法定雇用率の達成
法定雇用率とは、障害者雇用促進法43条第1項に定められた企業の義務です。民間企業の場合は、法定雇用率が2.5%であり、従業員を40人以上雇用している場合、1人以上の障害者を雇用しなければなりません。
法定雇用率を達成できない場合、納付金の納入や行政指導、勧告、さらに企業名が厚生労働省のホームページ上に公開されるといった措置が取られます。
しかし新たに障害者を雇い入れる場合、さまざまな領域で準備を整えなければならず、障害者雇用の促進が進まないことに悩む企業は少なくありません。
そこで検討したいのが、障害者雇用をサポートするサテライトオフィスの利用です。
障害者が働きやすい環境が整備されており、支援員が常駐するサテライトオフィスなら、速やかに障害者を迎え入れられるため、雇用促進の効果につながります。
2.安定した障害者雇用の確保
障害者が働きやすい環境が整備されているサテライトオフィスを導入することで、障害を持つ従業員の負担を軽減し、職場への満足度向上が期待できます。
厚生労働省の発表したデータによれば、一般労働者の離職率は雇用形態にもよりますが、令和5年の1年間で約12%、パートタイム労働者でも24%程度です。
これに対して障害者の場合29年のデータでは、障害者求人で就職してから1ヶ月後の離職率が95%を超える状態にあります。
しかし障害者の場合、時間の経過とともに離職率が著しく低下していることから、働きやすい環境を整備することで、雇用の定着が期待できる可能性は十分にあるでしょう。
3.コスト削減
障害者を受け入れるための環境整備には、大きなコストがかかります。
障害者福祉施設設置等助成金など、障害を持つ労働者のための福利厚生施設の設置整備に際してかかる費用の一部を助成する制度はあるものの、条件は厳しく、企業の大きな負担は免れません。
障害者福祉施設設置等助成金の受給条件
対象地域 | 受給できる金額 | 申請期間 |
全国 | 助成率:1/3上限額:対象障害者につき1人225万円 | 通年 |
必須条件 | ||
障害者を継続雇用していること認定申請以前1年間に、障害者を事業主都合により解雇していないこと |
しかし障害者雇用をサポートするサテライトオフィスを利用すれば、大規模なオフィスの修繕工事などを伴わず、スピーディーに、障害のある従業員を迎え入れるにふさわしい環境を手に入れられます。
障害者側のメリット
障害者雇用をサポートするサテライトオフィスの導入は、障害を持つ従業員側にもさまざまなメリットをもたらします。
- 働きやすい環境での就労のチャンスを獲得
- 専門的なサポートを受けられる
- 他の障害者との交流が可能
1.働きやすい環境での就労のチャンスを獲得
障害者用のサテライトオフィスは、様々な障害を持つ従業員が働きやすいように環境整備されています。自由に作業・移動できる環境であるため、安心して長期に渡って就労することも可能です。
2.専門的なサポートを受けられる
障害者用のサテライトオフィスには、専門的な知識を持った支援員が常駐するのが一般的です。業務に限らず、さまざまな困りごとについて相談できる環境があることは、障害のある従業員に安心をもたらすでしょう。
3.他の障害者との交流が可能
複数の企業が共同で利用する障害者用のサテライトオフィスであれば、企業の枠を超えて障害者同士の交流が生まれる可能性があります。
情報公開や保護支援の機会が増えることで、新しい社会とのつながりを構築しながら、ポジティブな気持ちで業務に取り組むことが可能です。
障害者用サテライトオフィスのデメリット
障害者用のサテライトオフィスを導入することに伴い想定されるデメリットについて、企業側と障害者側の立場から、確認しておきましょう。
企業側のデメリット
企業側のデメリットには、次のようなものがあります。
- 継続的にコストがかかる
- 本社とコミュニケーションが取りにくい
- 直接的な管理指導が難しい
- 社内における障害者への理解が進みにくい
とくに大きな課題は、コミュニケーションに関するものです。
障害者用サテライトオフィスは、自社のオフィスとは別の場所に構えます。物理的な距離は避けられないため、サテライトオフィスで勤務する障害を持つ従業員と、自社のオフィスで勤務する従業員の交流の機会は、限定的です。
またデスクを並べて、障害の有無を問わず一緒に勤務する経験を積めないため、相互理解に課題を抱える可能性があります。
こまめにサテライトオフィスに出向き、情報共有する努力が必要です。
障害者側のデメリット
障害がある従業員側のデメリットは、次のとおりです。
- 企業の一員としての意識を待ちにくい
- 短期間でのスキルアップが難しい
毎日通勤するオフィスがサテライトオフィスになるため、従業員側は、自分が企業の一員である意識を持ちにくい可能性があります。
またサテライトオフィスでは、簡単な作業から業務をスタートさせることが多いため、短期間でのスキルアップを期待しにくいのはデメリットです。
障害者用サテライトオフィスの費用相場
障害者用サテライトオフィスの費用は、障害のある従業員一人当たり1ヶ月10万円程度から利用可能です。しかしこの金額は、オフィスの立地広さ、サービス内容、利用人数等の条件により異なります。
また、初期費用や手数料をはじめとする諸費用の有無によっても変動する点に、ご注意ください。
サテライトオフィスによって異なるサービス内容と料金体系を設けているため、気になるサテライトオフィス複数社から見積もりを請求し、比較検討することが大切です。
障害者用サテライトオフィス4選を比較
障害者用サテライトオフィスを提供する4社の事例を取り上げて、ご紹介します。
サテラボ(サテライトラボ)|サンクスラボ株式会社
テレワーク&サテライトオフィスによる地方創生型の障がい者雇用支援サービス
サービス名称 | サテラボ(サテライトラボ) |
利用企業数 | 要問合せ |
サービス提供の対象業界 | 要問合せ |
サテライトオフィス立地・アクセス | 要問合せ |
サテライトオフィス営業時間 | 平日10:00~18:00A型事業所サービスでは土・祝が営業しているケースもあり |
利用可能人数 | 2名程度から実績あり |
料金 | 初期費用は0円※1 |
取引実績 | SmartHR・株式会社エージェント・REGAINGROUPほか多数 |
サービス提供元 | サンクスラボ株式会社 |
問い合わせ先 | https://www.satellitelab.net/ |
※1特別なソフトウェア・ツールなどは企業負担で導入
エラビバ|株式会社HANDICAPCLOUD
日本初のサテライトオフィス型雇用支援×就労移行支援
サービス名称 | 障害者向けサテライトオフィス「エラビバ」 |
利用企業数 | 要問合せ |
サービス提供の対象業界 | 要問合せ |
サテライトオフィス立地・アクセス | 最寄り駅より駅徒歩5分 |
サテライトオフィス営業時間 | 要問合せ |
利用可能人数 | 1名~数百名単位まで |
料金 | 要問合せ(光熱費・設備費) |
取引実績 | 大塚商会・クレディセゾン・CASIOほか多数 |
サービス提供元 | 株式会社HANDICAPCLOUD |
問い合わせ先 | https://syogai-koyo-bank.com/lp/company-3/?utm_source=corporate&utm_medium=link&utm_campaign=service1 |
チャレジョブ|株式会社チャレジョブ
出典:チャレジョブ
1つの建物内で、就労相談から執務・アフターケアまで完結するされたいとオフィス
サービス名称 | 障がい者向けサテライトオフィス「チャレジョブ」 |
利用企業数 | 数十社 |
サービス提供の対象業界 | 不問 |
サテライトオフィス立地・アクセス | 埼玉県内に3箇所宮城県内に1箇所 |
サテライトオフィス営業時間 | 要問合せ |
利用可能人数 | 従業員200名~2万人 |
料金 | 要問合せ |
取引実績 | 要問合せ |
サービス提供元 | 株式会社チャレジョブ |
問い合わせ先 | https://www.challe-job.com/consulting/satellite/ |
ワークスバリアフリー|株式会社DYM
出典:ワークスバリアフリー
採用から定着までトータルサポートするサテライトオフィス
サービス名称 | ワークスバリアフリー |
利用企業数 | 要問合せ |
サービス提供の対象業界 | 要問合せ |
サテライトオフィス立地・アクセス | ・立川オフィス(粂川第二ビル):JR立川駅より徒歩5分・新横浜オフィス(新横浜SRビル):新横浜駅より徒歩1分・海浜幕張オフィス(幕張テクノガーデンCD棟):JR海浜幕張駅より徒歩3分 |
サテライトオフィス営業時間 | 平日9時~18時(早朝出勤や休日出勤は別途相談) |
利用可能人数 | 要問合せ |
料金 | 要問合せ |
取引実績 | 要問合せ |
サービス提供元 | 株式会社DYM |
問い合わせ先 | https://worksbarrierfree.jp/lp03/?utm_source=google&utm_medium=cpc&gad_source=1&gclid=CjwKCAiA9vS6BhA9EiwAJpnXw-J8phNoHSTqCHdHxOoh3pl68npYyV0SzhMI2vWIpKTYLyULoJ-mcRoC82AQAvD_BwE |
障害者用サテライトオフィス導入の流れ
障害者用サテライトオフィス導入の流れは、以下のとおりです。
- 既存業務から適切な業務を切り出す
- 障害者雇用向けサテライトオフィスを選定
- 通信環境やセキュリティ設備を整える
- 従業員の障害特性を理解したサポートスタッフを配置
- 社内研修を実施し、障害者雇用への理解を深める
- 採用活動
- 個々の障害特性に合わせた業務指導を実施
障害者用サテライトオフィスの導入後も、サテライトオフィスで勤務する従業員に対して定期的なフォローアップを提供しましょう。
また、困っていることや悩んでいることはないか、定期的に障害を持つ従業員との面談の機会を設けて、職場環境の改善を継続することも重要です。
まとめ
障害者雇用向けサテライトオフィスは、企業と障害者双方にメリットをもたらします。企業は法定雇用率達成、安定雇用確保、コスト削減が可能です。また障害を持つ従業員は、働きやすい環境、専門的サポート、他の障害者との交流機会を得られます。
一方、デメリットとしてコミュニケーション課題や企業帰属意識の低下があります。
費用は月額10万円程度からと、大規模な工事を伴うオフィスの改修工事よりも、コストを抑えた導入が可能です。
法定雇用率達成に向けた迅速な対応の一環として、障害者雇用をサポートするサテライトオフィスの導入には、十分に検討する価値があります。
この記事を書いた人
サンクスラボ編集部
サンクスラボ株式会社が運営するメディアの編集部 。 障がい者雇用にかかわる情報を日々お届けします。
