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障がい者雇用は義務!対象企業の条件、メリット、ルール、雇用の流れも徹底解説

公開日:
2026.01.30
最終更新日:
2026.02.06

日本では、障害者雇用促進法に基づき常用雇用している従業員が37.5名(※令和8年7月~)以上いる企業には、障がい者雇用が義務付けられています。

近年の法定雇用率引き上げに伴い、自社の雇用義務について疑問を持っている担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、「障害者雇用促進法」が企業に求めている内容を紹介します。

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<この資料でわかること>
・障がい者雇用の基礎知識
・雇用が必要な障がい者人数の計算方法
・障がい者採用の流れとポイント

障がい者雇用が義務となる企業の条件

現在、日本では「障害者雇用促進法」によって、民間企業・官公庁問わず、障がい者を雇用する義務があります。また同法律では、一定数以上の従業員を雇用している民間企業に対して、一定割合の常用雇用義務を課しています。

これを法定雇用率といい、令和8年7月(2026年)以降の決まりは以下の通りです(※)。

・対象:常用雇用労働者37.5人以上の事業主
・法定雇用率:2.7%

なお、会社によっては雇用義務がなくても、社会貢献、企業のイメージアップなどの理由で積極的に障がい者の雇用を行っている場合もあります。

※令和8年7月以降の法定雇用率。令和6年4月~令和8年6月までは40.0人以上の事業主、2.5%に据え置き

障がい者雇用枠の対象になる条件

「障害者雇用促進法」に定められている障がい者とは、以下の条件を満たす方です。

・身体障がい者:「身体障害者手帳」を所有している
・知的障がい者:「療育手帳」を保有している
・精神障がい者:「精神障害者保健福祉手帳」を所持している

障がい者である可能性があっても、手帳を所有していない方は障がい者雇用の枠では就業できません。

また、就労可能な状態であることも重要です。例えば、「1日1時間程度ならば、なんとか軽作業ができる」といった状態の障がい者を雇ってもやはり義務を果たしたことにはならないので、注意してください。

障がい者雇用の主な義務とは

会社を運営している経営者の中には、「障害者雇用促進法」の名前を知ってはいるけれど内容はよく知らない方も多いでしょう。ここでは、「障害者雇用促進法」に定められている障がい者雇用の義務について解説します。

企業に課せられる義務

障害者雇用促進法は、企業に対して以下の5つの義務を課しています。

雇用義務

法定雇用率以上の障がい者の雇用が義務付けられています。

先ほど説明した通り、2024年4月に2.5%に引き上げられ、さらに2026年7月には2.7%に引き上げられることが決まっています。

雇用義務がある障がい者数の算定方法は以下の通りです。

雇用義務がある障がい者の人数 = (常用労働者数 + 短時間勤務の労働者数 × 0.5)× 法定雇用率

なお、実雇用率は以下のように算定します。

・短時間労働者は、原則、1人を0.5人としてカウント
・重度身体障がい者、重度知的障がい者は1人を2人としてカウント。短時間重度身体障がい者、短時間重度知的障がい者は1人としてカウント
・精神障がい者である短時間労働者については、当面の間、雇入れからの期間等に関係なく、1人をもって1人とみなす
・令和6年度から、重度身体障がい者、重度知的障がい者及び精神障がい者である特定短時間労働者(週の所定労働時間が10時間以上20時間未満である者)について、1人を0.5人として算定

▼詳しい計算方法についてはこちら
【2025年最新】障害者雇用率の計算の仕方は?カウント方法と早見表で解説

障がい者に対する差別の禁止と合理的配慮

雇用の分野において、障がいを理由とした差別的扱いは禁止されています。

また、障がい者を雇用する企業は、障がい特性によって起こり得る支障を改善するための合理的配慮を提供する必要があります。

雇用状況の報告

障がい者を雇用する義務がある企業は年に一度、障害者雇用状況報告書を提出する必要があります。これは、毎年6月1日時点での障がい者雇用状況を7月15日までにハローワークに提出するもので、ロクイチ報告とも呼ばれています。

▼障害者雇用状況報告書について詳しくはこちら
ロクイチ報告の「障害者雇用状況報告書」とは?提出方法、書き方、注意点を詳しく解説

障害者職業生活相談員の選任

障がい者を5人以上雇用する事業所では、「障害者職業生活相談員」を選任し、その者に障がいのある従業員の職業生活に関する相談・指導を行わせなければなりません。

ハローワークへの解雇届の提出

障がい者を解雇する場合、企業は速やかにハローワークに解雇届を提出し、解雇の旨を報告しなくてはなりません。これは、一般の求職者と比べて再就職が難しいとされている障がい者に対して、早期再就職へ向けたスムーズな支援が行えるようにするためです。

▼障がい者を解雇するときの注意点について詳しくはこちら
障がい者雇用での解雇・雇止めの注意点とは?合理的配慮についても解説

障がい者雇用の義務に違反した場合の罰則は?

障がい者雇用の義務がある企業が法定雇用率を達成できなかった、または一人も採用しなかった場合、違反による罰則があるのか気になる方もいるかと思います。

実際、法定雇用率を満たせない企業には大きく分けて2つのリスクが発生します。

1. 障害者雇用納付金の徴収
金額は不足している障がい者雇用人数1人あたり月額50,000円となるため、不足人数が多いほど企業に負担となります。

2. 行政指導を受ける
改善が見られない企業は最悪の場合、企業名を公表されます。

▼法定雇用率が未達成の場合の罰則・リスクについて詳しくはこちら
障害者雇用率未達成だとどうなる?企業名公表や罰則について解説

障がい者雇用の現状

厚生労働省は、毎年「障害者雇用状況の集計結果」を発表しています。

令和5年度の集計結果によると、民間の企業では雇用障がい者数、実雇用率ともに過去最高を更新しました。雇用障がい者数は64万2,178.0人、対前年差2万8,220.0人増加、前年比からは、4.6%の増加となっています。

実雇用率2.33%で、対前年比0.08ポイント上昇しました。法定雇用率達成企業の割合は50.1%となり、対前年比1.8ポイント上昇しています。

しかし、それでも法定雇用率達成企業は全体の半分程度にとどまっています。近年は労働力不足が深刻な問題となっており、外国人の労働者に頼らざるを得ない企業もたくさんあります。障がい者の雇用が進めば労働者不足の解消につながる可能性がありますが、現実はなかなか難しい状態です。

その一方で、「障害者雇用状況の集計結果」は、障がい者雇用の枠で就職した障がい者しかカウントしていません。「障害者雇用促進法」に定められた条件に当てはまらない形で、就業している障がい者もたくさんいるため、この数値は参考程度としておきましょう。

▼障がい者雇用の現状について詳しくはこちら
障がい者雇用における現状の課題と原因、解決へと導く対策を解説

障がい者雇用をするメリット

障がい者の雇用は、ある程度の規模の会社に義務付けられていますが、メリットもあります。ここでは、会社が障がい者を雇用するメリットを解説します。

助成金や支援制度を利用できる

障がい者を雇用すると、国から助成金を受け取れます。助成金は、障がい者を雇用し続けるための職場環境整備に利用できます。

また、支援制度を利用すれば障がいに対する理解も深まり、二度目、三度目の障がい者雇用を行う際にも役立つでしょう。

▼障がい者雇用の助成金について詳しくはこちら
【2025年最新】障がい者雇用の助成金一覧!受給条件や注意点も詳しく解説

業務の見直しができてSDGsに貢献できる

障がい者が働きやすい職場は、一般の従業員にとっても働きやすい職場です。障がい者雇用をきっかけに職場の制度などを見直せば、改善点がたくさん見つかる可能性もあります。

また、障がい者を多く雇用すれば、企業のイメージも向上し、SDGsにも貢献できるのがメリットです。障がい者雇用がうまくいけば、自治体の宣伝等にも使ってもらえるので、知名度をアップするメリットもあります。

▼障がい者雇用とSDGsの関係について詳しくはこちら
障がい者雇用とSDGsの関係は?取り組み事例や何番の目標かも解説

障がい者雇用する際の注意点

障がい者を雇用する際は、以下のような注意点があります。

・障がい者を雇用する場合はサポート役を誰かに押し付けない
・障がい者の意見を聞ける環境を整える
・障がい者の仕事を作ったうえで求人をする
・必要ならば外部のサポートを依頼する

障がい者雇用をする場合、一般の中途入社者や新卒者に比べると仕事を覚えるまでに時間がかかる場合も多くあります。

サポート役が必須ですが、特定の部署や人物だけに押し付けないようにしましょう。トライアル雇用を利用して障がい者雇用に慣れてもらう、必要ならば外部のサポートを依頼するなど工夫が必要です。

なお、「障害者雇用促進法」では、障がいのある方に任せる仕事に決まりはありません。例えば、金融会社に就職したからといって、経理や営業をしなければいけないといったルールはないのです。

そのため、「障がい者雇用支援サービス」のように、障がい者が働きやすい環境と仕事を別途用意する会社もあります。また、「特例子会社」を設立する会社もあります。

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障がい者を雇用する流れ

障がい者を雇用する基本的な流れは以下のとおりです。

・障がい者雇用を検討し、従業員の意見を聞いて障がい者雇用に関する理解を深める
・ハローワーク・地域障害者職業センターなど支援機関への相談する
・ジョブコーチや障がい者を雇用する企業向け研修などを受ける
・障がい者を受け入れる部署を決定して仕事を選定する
・就労に必要な備品や設備を会社が整える
・募集人数や採用時期を正式に決定する
・ハローワークや民間の就職サイトに求人を出す
・雇用
・雇用継続・定着のための施策実行

求人を出してからの流れは、一般的な求人と変わりありません。一方、特に初めて障がい者を雇用する場合は、求人を出すまでの準備を整える必要があります。

ハローワークには、企業側の障がい者雇用をサポートする制度がたくさんあります。利用できるものは積極的に利用することが、障がい者雇用がスムーズに進みます。

まとめ

本記事では、「障害者雇用促進法」の概要や会社に国が求めることなどを紹介しました。

障がい者雇用は、より幅広い人々が働きやすいように職場を整えることにも通じます。障がい者雇用が義務付けられる従業員数になったら、良い機会ととらえて会社の業務や設備を見直してみるのもおすすめです。

記事監修者:衛藤 美穂

サンクスラボ株式会社 サテラボ事業部 カスタマーサクセスチーム

アメリカの大学で心理学を学んだ後、不動産、メーカー、教育と多岐にわたる業界を経験。 前職までに約2,500社以上の管理職・取締役に対し、提案営業やコンサルティングを通じて、現場の複雑な問題解決を支援してきた「企業課題解決」のプロフェッショナルです。
現在はサンクスラボにて、その豊富なビジネス経験と、10年以上にわたり研鑽を積んできたカウンセリングスキルを融合。 「企業の論理」と「障がい者従業員の心理」の双方を深く理解する稀有な存在として、障がい者雇用のサポートとセミナー(登壇歴2年)に従事しています。

■保有資格
MFCA認定プロフェッショナルコーチ:2023年取得
夫婦カウンセラー:2012年取得

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