トップ障がい者就職・転職Tips障害者雇用で副業は可能?おすすめ職種や注意点、実情を徹底解説

障害者雇用で副業は可能?おすすめ職種や注意点、実情を徹底解説

公開日:
2026.02.27
最終更新日:
2026.02.27

近年、働き方の多様化が進む中で、障害者雇用枠で働きながら副業を検討する方が増えています。「今の収入だけでは将来が不安」「自宅でできる仕事でスキルアップしたい」と考えるのは自然なことです。

しかし、実際に始めるとなると「会社にバレたらどうなるのか」「障害年金への影響はあるのか」といった不安も尽きないでしょう。本業と無理なく両立するためには、事前のルール確認と自分に合った職種選びが重要です。

この記事では、障害をお持ちの方が安心して副業を始めるための基礎知識や、在宅で取り組みやすいおすすめの職種について解説します。

障害者雇用における副業のルールと基礎知識

障害者雇用で働いている場合でも、法律上は副業が禁止されているわけではありません。しかし、実際に副業を始める前には、勤務先のルールや社会保険制度との兼ね合いを正しく理解しておく必要があります。

特に、体調管理が最優先される障害者雇用においては、本業に支障をきたさない範囲で行うことが大前提となります。ここでは、トラブルを避けるために知っておくべき就業規則の確認方法や、法的な扱いについて詳しく見ていきましょう。

会社の就業規則と法律上の扱い

副業解禁の流れと現状

かつて多くの日本企業では、社員の副業を原則禁止としていました。しかし、2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定したことをきっかけに、状況は大きく変わりつつあります。

現在では、スキルアップや柔軟な働き方を推奨するために、副業を解禁する企業が増加傾向にあります。障害者雇用であっても、この流れは同様です。会社によっては、申請をすれば認められるケースや、一定の条件付きで許可されるケースなど、対応はさまざまです。

就業規則の確認ポイント

副業を検討する際、最初に行うべきなのは「就業規則」の確認です。就業規則には、副業に関する条項が記載されています。「許可なく他社に従事してはならない」といった記載がある場合、無断で始めると懲戒処分の対象になるリスクがあります。

特に確認すべきなのは、「全面禁止」なのか「許可制(届出制)」なのかという点です。近年は許可制の企業が多いため、まずは人事担当者や上司、あるいはジョブコーチなどの支援者に相談してみることをおすすめします。

相談する際は、「どのような内容の仕事か」「本業の勤務時間外に行うこと」「体調には影響させないこと」を明確に伝えると、理解を得やすくなります。

公務員の場合の注意点

注意が必要なのは、公務員として障害者雇用枠で働いている場合です。公務員は「国家公務員法」や「地方公務員法」によって、営利企業への従事や報酬を得る活動が原則として禁止されています。

これは「職務専念義務」や「信用失墜行為の禁止」に基づくもので、民間企業よりも厳しい制限があります。ただし、小規模な農業や一定規模以下の不動産賃貸など、例外的に認められるケースもあります。

許可を得ずに副業を行うと、減給や停職などの重い処分を受ける可能性があるため、公務員の方は必ず所属部署の規定を確認し、個別の許可申請を行ってください。

障害年金や体調管理への配慮

障害年金受給額への影響は?

障がいをお持ちの方にとって大きな懸念事項の一つが、「副業収入を得ることで障害年金が減らされるのではないか」という点でしょう。結論から言えば、基本的に就労収入が増えたからといって、直ちに障害年金が停止・減額されるわけではありません。

障害年金は、障害の状態(等級)に基づいて支給されるものであり、原則として収入額による制限はないからです。ただし、「20歳前傷病による障害基礎年金」を受給している場合に限り、所得制限が設けられています。

一定以上の所得があると、年金の一部または全額が支給停止になる可能性があります。ご自身が受給している年金の種類を確認し、所得制限の基準額を超えないよう注意して計画を立てることが大切です。

確定申告が必要になるライン

副業で得た収入は、税務上の申告が必要になる場合があります。一般的に、給与所得以外の所得(副業での利益)が年間20万円を超える場合、確定申告を行わなければなりません。

ここで言う「所得」とは、売上から経費を差し引いた金額のことです。例えば、在宅ワークで必要なパソコン用品や通信費の一部を経費として計上すれば、所得額を抑えられる場合があります。

本業と両立するための体調管理

障害者雇用で働く上で最も重要なのは、本業を安定して継続することです。副業に熱中するあまり、睡眠時間を削ったり、休日の休息がおろそかになったりしては本末転倒です。

疲労が蓄積すると、本業でのパフォーマンス低下や遅刻・欠勤につながり、職場での信頼を損なう恐れがあります。まずは本業のリズムを崩さない範囲で、スモールステップで始めることが鉄則です。

また、定期通院の時間や服薬の管理など、自身のケアに必要な時間は絶対に確保してください。自分のキャパシティを超えないよう、スケジュールには余裕を持たせることが、長く副業を続けるためのコツです。

障がいのある方におすすめの在宅・副業職種

ここからは、障がいのある方が取り組みやすいおすすめの副業職種を紹介します。通勤の負担がなく、自分のペースで作業できる「在宅ワーク」を中心に厳選しました。

体力的な負担を抑えつつ、未経験から始められるものから、専門スキルを活かせるものまで幅広くピックアップしています。ご自身の特性や得意分野に合わせて、無理なく挑戦できる仕事を探してみましょう。

未経験から始めやすいデータ入力・ライティング

1. 正確さが強みになるデータ入力

データ入力は、指定された数値や文字情報をフォーマットに入力していく仕事です。特別な資格やスキルは必要なく、パソコンの基本操作ができれば誰でも始められるため、副業初心者におすすめです。

マニュアルが完備されている案件が多く、判断に迷う場面が少ないのが特徴です。そのため、ルーチンワークが得意な方や、細かい作業に没頭できる方に適しています。また、人とのコミュニケーションが最小限で済む点も、対人関係に不安がある方には大きなメリットでしょう。

報酬は入力件数や文字数に応じた出来高制が一般的です。最初は単価が低く感じるかもしれませんが、タイピング速度が上がれば効率よく稼げるようになります。

2. 文章作成で稼ぐWebライティング

Webライティングは、Webサイトやブログの記事を執筆する仕事です。テーマは趣味、体験談、商品紹介など多岐にわたり、自分の得意なジャンルを選んで執筆できます。

文章を書くのが好きな方や、調べ物が苦にならない方に向いています。クラウドソーシングサイトでは、「未経験歓迎」の案件も豊富に募集されており、マニュアルに沿って書くことで基本的なライティングスキルを身につけることができます。

納期さえ守れば、作業する時間帯は自由な場合がほとんどです。体調に合わせて、調子の良い時にまとめて書くといった柔軟な働き方が可能です。実績を積めば文字単価が上がり、高収入も目指せます。

3. アンケートモニターやポイント活動

「ポイ活」としても知られるアンケートモニターは、スマホ一つで手軽に始められる副業です。企業からのアンケートに回答したり、商品を使用した感想を送ったりすることでポイントや謝礼を受け取れます。

仕事というよりも作業に近い感覚で取り組めるため、精神的なプレッシャーがほとんどありません。隙間時間を有効活用したい方や、まずは数百円〜数千円程度のお小遣い稼ぎから始めたい方に最適です。

大きな収入を得るのは難しいですが、他の副業と並行して行うことも容易です。また、座談会や会場調査などの案件に参加すれば、比較的高額な謝礼(数千円程度)が得られることもあります。

4. 文字起こし

文字起こしは、会議やインタビューなどの録音音声を聞き取り、文字データに変換する仕事です。タイピングスキルに加え、音声を聞き取る集中力と、正しい日本語に整える国語力が求められます。

耳から入る情報を処理するのが得意な方や、静かな環境で黙々と作業したい方に向いています。最近ではAIによる自動文字起こしツールもありますが、最終的な修正や整文作業には人間の手が必要であり、依然として需要があります。

1時間の音声データに対して数千円の報酬が相場ですが、作業には音声の長さの数倍の時間がかかることもあります。慣れるまでは短時間の案件から受注し、ペース配分を掴むことが大切です。

スキルを活かせるクリエイティブ・IT系

5. 在宅需要が高いプログラミング

プログラミングは、Webサイト制作やアプリ開発、システム構築などを行う専門的な仕事です。専門スキルが必要な分、他の副業に比べて単価が非常に高く、1案件で数万円〜数十万円の収入を得ることも可能です。

論理的思考が得意な方や、学習意欲が高い方に適しています。現在はオンラインの学習サービスも充実しており、独学やスクールでスキルを習得してから副業を始めるケースも増えています。

在宅でのフルリモート案件が多く、障害特性に合わせて環境を整えやすいのも魅力です。実務経験があれば即戦力として重宝されますが、簡単なコーディング案件など、初級者向けの仕事も存在します。

6. 感性を活かすWebデザイン・イラスト

Webデザインやイラスト制作は、バナー作成、ロゴデザイン、SNSアイコンの描画など、視覚的な表現を行う仕事です。PhotoshopやIllustratorなどのソフトを扱えるスキルが必要になります。

自分の感性や美的センスを活かしたい方におすすめです。クラウドソーシングのコンペ形式(作品を提案し、採用されたら報酬発生)や、スキル販売サイトを通じて個別に依頼を受ける形式が一般的です。

ポートフォリオ(作品集)を充実させることで、継続的な依頼につながりやすくなります。言葉でのコミュニケーションよりも、制作物を通じて価値を提供したい方にとって、やりがいを感じやすい職種と言えるでしょう。

7. ハンドメイド作品の販売

アクセサリー、バッグ、雑貨などの手作り作品を、ネットショップやフリマアプリで販売する副業です。自分のペースで製作でき、趣味の延長線上で楽しみながら収益化を目指せます。

手先が器用な方や、モノづくりに没頭することで精神的な安定を得られる方に向いています。「minne」や「Creema」などのハンドメイド専用マーケットプレイスを利用すれば、集客や決済の手間も軽減できます。

材料費や発送の手間はかかりますが、自分の作品が誰かに購入され、喜んでもらえる経験は大きな自信になります。ファンがつけば、オーダーメイドの注文を受けるなど、活動の幅を広げることも可能です。

8. ブログ・アフィリエイト運営

自身のブログを開設し、記事内で紹介した商品やサービスが購入されることで広告収入を得る方法です。初期費用はサーバー代やドメイン代などで月額千円程度と低リスクで始められます。

自分の体験談や、障害に関する悩みと解決策、趣味の知識などを発信したい方におすすめです。収益化までには半年〜1年以上の時間がかかることが多いですが、一度軌道に乗れば、寝ている間も収益が発生する「ストック型」の資産になります。

文章力だけでなく、Webマーケティングの知識も身につきます。納期がないため、体調が優れない時は休み、調子が良い時に書き溜めるなど、完全に自分の裁量で運営できる点が最大のメリットです。

失敗しないための副業の選び方と注意点

障害者雇用で働きながら副業を行う際、最も大切なのは「継続性」と「安全性」です。せっかく始めた副業が原因で体調を崩したり、本業とのバランスが取れなくなったりしては意味がありません。

ここでは、障がいをお持ちの方が副業選びで失敗しないためのポイントと、トラブルを未然に防ぐためのリスク管理について解説します。自分を守りながら収入を増やすための視点を持っておきましょう。

「無理なく続けられる」を最優先にする

副業を選ぶ際は、報酬単価の高さよりも「自分のペースで続けられるか」を判断基準にしましょう。特に、納期が非常に短い案件や、クライアントと頻繁な連絡・調整が必要な仕事は、精神的な負担になる可能性があります。

まずは納期に余裕があるタスク形式の仕事や、自分の裁量で進められる成果報酬型の案件から始めるのがおすすめです。これなら、体調が良い時にまとめて作業し、不調な時は休むといった調整がしやすくなります。

また、スケジュール管理も重要です。「毎日必ず〇時間作業する」と厳格に決めすぎず、「週単位で目標を達成する」くらいの柔軟性を持たせましょう。本業が繁忙期の際は副業をセーブするなど、本業優先のスタンスを崩さないことが、障害者雇用と副業を長く両立させる秘訣です。

確定申告と税金の基本を押さえる

副業で収入を得ると、税金の手続きが必要になるケースがあります。これは障害者雇用の場合も例外ではありません。基本ルールとして、副業の「所得(売上から経費を引いた額)」が年間20万円を超える場合、税務署への確定申告が必要です。

特に気をつけたいのが、住民税の納付方法です。通常、住民税は本業の給与から天引き(特別徴収)されますが、副業分が加算されることで通知額が変わり、会社に副業を知られるきっかけになることがあります。

会社に知られずに副業を行いたい場合は、確定申告等の際に住民税の徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」に選択する必要があります。ただし、自治体によって対応が異なる場合もあるため、事前に役所の窓口で確認しておくと安心です。

障害者雇用の副業に関するよくある質問

最後に、障害者雇用で副業を検討している方からよく寄せられる質問にお答えします。疑問や不安を解消して、安心して新しい一歩を踏み出しましょう。

Q1. 就労移行支援を利用中でも副業はできますか?

原則として、就労移行支援を利用している期間中の副業(アルバイト等含む)は認められていないケースがほとんどです。就労移行支援は、あくまで「就職に向けた訓練」を行う公的な福祉サービスであり、就労そのものではないからです。

ただし、生活費の確保が必要など、やむを得ない経済的事情がある場合は、自治体の判断により例外的に認められることもあります。独自の判断で始めず、必ず事業所のスタッフや自治体の担当窓口に相談してください。

Q2. 副業が会社にバレる原因は何ですか?

最も多い原因は「住民税額の変化」です。副業収入によって住民税が増額され、会社に届く決定通知書の金額が他の社員と異なることで、経理担当者が気づくケースがあります。

その他、職場の休憩時間につい同僚に話してしまったことによる噂や、実名で運用しているSNSでの発信から特定されるケースも見受けられます。プライバシー管理を徹底し、税金の手続きを正しく行うことが、予期せぬトラブルを防ぐ対策になります。

Q3. 障害者手帳の等級が変わると副業に影響しますか?

障害者手帳の等級変更そのものが、法的に副業を禁止する直接的な理由にはなりません。しかし、等級が変わるということは、体調や障害の状態に何らかの変化があったことを意味します。

そのため、現在の副業負担が適切かどうか、主治医や支援者と相談して見直す必要があるでしょう。無理をして等級が悪化してしまっては本末転倒です。自身の健康状態を最優先にし、状況に合わせて働き方を柔軟に調整してください。

まとめ

障害者雇用で副業を行うことは法律上禁止されていませんが、まずは勤務先の就業規則を確認し、ルールを守って始めることが大切です。特に公務員の場合は制限が厳しいため、個別の確認が必須となります。また、障害年金への影響は限定的ですが、自身の受給要件や所得制限について正しく理解しておきましょう。

副業を成功させる鍵は、本業に支障をきたさない範囲で、体調管理を最優先にすることです。在宅でできるデータ入力やライティングなど、自分のペースで進められる職種から小さく始めることをおすすめします。無理なスケジュールは避け、休息を十分に確保することが継続の秘訣です。

最後に、年間20万円を超える所得がある場合の確定申告や、住民税の申告手続きも忘れてはいけません。税金の仕組みを把握し、会社とのトラブルを防ぎながら、自分らしい働き方で収入アップを目指しましょう。

記事監修者:衛藤 美穂

サンクスラボ株式会社 サテラボ事業部 カスタマーサクセスチーム

アメリカの大学で心理学を学んだ後、不動産、メーカー、教育と多岐にわたる業界を経験。 前職までに約2,500社以上の管理職・取締役に対し、提案営業やコンサルティングを通じて、現場の複雑な問題解決を支援してきた「企業課題解決」のプロフェッショナルです。
現在はサンクスラボにて、その豊富なビジネス経験と、10年以上にわたり研鑽を積んできたカウンセリングスキルを融合。 「企業の論理」と「障がい者従業員の心理」の双方を深く理解する稀有な存在として、障がい者雇用のサポートとセミナー(登壇歴2年)に従事しています。

■保有資格
MFCA認定プロフェッショナルコーチ:2023年取得
夫婦カウンセラー:2012年取得

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