トップロクイチ報告の「障害者雇用状況報告書」とは?提出方法、書き方、注意点を詳しく解説

ロクイチ報告の「障害者雇用状況報告書」とは?提出方法、書き方、注意点を詳しく解説

公開日:
2026.01.15
最終更新日:
2026.01.15

「ロクイチ報告を提出するように報告書が郵送されてきたが、作成の方法がわからない」と悩んでいる方もいるかと思います。そこで今回は、ロクイチ報告の概要や作成方法を解説します。

また、ロクイチ報告の提出方法や事前準備、注意点など詳しく網羅的に知りたい担当者の方は、以下の資料もご覧ください。

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<この資料でわかること>
・ロクイチ報告とは何か
・ロクイチ報告の提出方法と提出期限
・ロクイチ報告の事前準備や注意点

ロクイチ(61)報告とは

ロクイチ(61)報告とは、毎年6月1日時点の自社における「高年齢者および障がい者の雇用に関する状況」を報告書として作成し、本社がある地域を管轄しているハローワークに報告する作業です。6月1日現在の状況を報告するので、ロクイチ報告と呼ばれています。

作成された報告書は「障害者雇用状況の集計結果」としてまとめられ、全国の障害者雇用率として公開されます。また、行政が各企業の高齢者や障がい者の雇用状況を把握することも目的です。

ロクイチ報告の提出義務がある書類

「ロクイチ報告」という通称で広く知られる6月1日時点での雇用状況報告ですが、実際には対象者の年齢層や目的に応じて2種類の報告書が存在します。

・高年齢者の雇用促進を目的とした「高年齢者雇用状況報告書」
・障がい者の雇用促進を目的とした「障害者雇用状況報告書」

ここでは、それぞれの報告書の概要について解説します。

高年齢者雇用状況報告書

高年齢者雇用状況報告書は、高年齢者雇用安定法第52条の5に基づく報告書です。

高年齢者の安定した雇用を確保するため、企業における65歳までの雇用確保措置の実施状況や、70歳までの就業機会確保の取り組み状況を把握することを目的としています。

障害者雇用状況報告書

障害者雇用状況報告書は、障害者雇用促進法第43条第7項に基づく報告書です。

障がい者の雇用機会の拡大と職業的自立を促進するため、企業における障がい者雇用の実態を把握し、法定雇用率の達成状況を確認することを目的としています。

2024年4月からは民間企業の法定雇用率が2.5%に引き上げられており、企業はこの基準を満たさなくてはなりません。さらに、2026年7月には2.7%に引き上げられることが決まっています。

自社の障がい者雇用人数を算定する際には、以下の計算フォーマットが便利です。

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ロクイチ報告の提出義務がある対象企業

ロクイチ報告では、以下のような企業を対象に「高年齢者雇用状況報告書」および「障害者雇用状況報告書」の提出義務が求められます。

・高年齢者雇用状況報告書:常用労働者が21人以上の事業所
・障害者雇用状況報告書:常用労働者数が40人以上の事業所

これまで障害者雇用状況報告書の提出義務は常用労働者43.5人以上の企業でしたが、2024年4月の法定雇用率の引き上げによって常用労働者40人以上の企業となりました。

また、障害者雇用状況報告については、雇用している障がい者の数が0人の場合であっても報告する必要があります。

ロクイチ報告をしない場合、または虚偽の報告をした場合は、障害者雇用促進法 第86条第1号の規定により、罰則(30万円以下の罰金)の対象となるので気を付けましょう。

常用雇用労働者とは

常用雇用労働者とは、1年を超えて雇用される見込みがある、または1年を超えて雇用されている労働者のことを指します。正社員だけでなく、パートタイム労働者やアルバイトであっても、雇用期間の条件を満たせば常用雇用労働者としてカウントされます。

また、常用雇用労働者数を算定する際は、以下の単位で考えます。

労働時間

単位

週30時間以上

1

週20時間以上30時間未満

0.5

週10時間以上20時間未満

0.5

なお、重度身体及び知的障がい者は、カウント数が2倍になります。例えば、週30時間以上勤務している障がい者の常用雇用労働者が1名、時短労働者が2名いる場合、カウントは2となります。また、時短労働者の重度の身体及び知的障がい者を2名雇用している場合は、2名×0.5単位×2倍=2となります。

参考:厚生労働省「2 障害者雇用状況報告 障害者雇用状況報告書の提出義務と提出方法等について

高年齢者・障害者雇用状況報告書(ロクイチ報告)の提出手順

高年齢者雇用状況報告書および障害者雇用状況報告書の提出方法には、大きく分けて2つの方法があります。それぞれの手順について詳しく解説します。

方法1.ハローワークへ郵送または持参する

管轄のハローワークへ報告書を郵送または直接持参する方法です。

具体的な手順は以下の通りです。

1.厚生労働省のウェブサイトから該当する報告書の様式をダウンロードし、必要事項を記入
2.事業所を管轄するハローワークへ郵送するか、直接窓口へ持参して提出

郵送の場合は、提出期限(7月15日)に間に合うよう、余裕を持って発送することが推奨されます。

持参する場合は、ハローワークの受付時間内に訪問し、担当窓口で提出手続きを行いましょう。

方法2.電子申請システムで提出する

近年、政府が推進しているデジタル化の流れに沿って、e-Govの電子申請システムを利用した報告書提出が可能になっています。電子申請は24時間いつでも提出可能で、郵送や持参の手間が省けるため、非常に便利な方法です。

電子申請の具体的な手順は以下の通りです。

1.e-Govホームページから「障害者雇用状況報告書(Excelファイル)」をダウンロードして必要事項を入力
2.e-Govアプリから申請書を表示・入力する
3.管轄のハローワークを提出先として選択し、完了

電子申請の詳しい手順については、厚生労働省の「障害者雇用状況報告の電子申請による提出(Webサイト)」で確認できます。初めて電子申請を利用する場合は、事前に手順を確認しておくとスムーズに手続きを進められます。

高年齢者・障害者雇用状況報告書(ロクイチ報告)の提出期限

ロクイチ報告の提出期限は、毎年7月15日です。この報告は6月1日時点の状況を報告するため、提出期間が短い点に注意が必要です。

提出期限を過ぎてしまった場合、以下のような影響が考えられます。

報告書の種類

影響

高年齢者雇用状況等報告書

提出遅延による直接的な罰則はありません。ただし、勧告に従わない場合は企業名公表の可能性があります。

障害者雇用状況報告書

障害者雇用促進法に基づき、30万円以下の罰金が科される可能性があります。

期限を過ぎた場合でも、速やかに管轄のハローワークに連絡し、指示を仰ぐようにしましょう。報告は法律で定められた義務ですので、必ず提出してください。

高年齢者・障害者雇用状況報告書(ロクイチ報告)の書き方

高年齢者雇用状況報告書と障害者雇用状況報告書は、それぞれ記入すべき項目や書き方が異なります。ここでは、記入例と注意点について解説します。

高年齢者雇用状況報告書の記入例

高年齢者雇用状況報告書では、企業の基本情報、常用労働者数、定年制度の有無、継続雇用制度の導入状況、65歳までの雇用確保措置の実施状況、70歳までの就業機会確保措置の取り組み状況などを記入します。

2021年4月の高年齢者雇用安定法の改正により、70歳までの就業機会確保措置についても報告項目に追加されています。定年制の廃止、定年の引上げ、継続雇用制度の導入、創業支援等措置の導入など、実施している措置について該当項目にチェックを入れます。

記入例や詳細な記入方法については、厚生労働省が公開している「高年齢者雇用状況等報告書記入要領」を参照してください。

参考:厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告書記入要領

障害者雇用状況報告書の記入例

障害者雇用状況報告書では、企業の基本情報、常用労働者数、障がい者の雇用者数(身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者の別)、実雇用率、不足数などを記入します。

障がい者の雇用者数については、身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者それぞれについて、障がいの程度や労働時間に応じて記入します。重度身体障がい者や重度知的障がい者は、法定雇用率の計算上2人分としてカウントされるため(ダブルカウント)、正確な区分が重要です。

また、短時間労働者(週20時間以上30時間未満)については、原則0.5人としてカウントされますが、精神障がい者の場合は一定の条件下で1人としてカウントされる特例もあります。

記入例や詳細な記入方法については、厚生労働省が公開している「障害者雇用状況報告書の提出義務と提出方法等について」を参照してください。

高年齢者・障害者雇用状況報告書(ロクイチ報告)を書く際の注意点

最後に、高年齢者・障害者雇用状況報告書(ロクイチ報告)を作成する際の注意点を紹介します。

記入を間違えてもペナルティは発生しませんが、書き直しの手間がかかります。

高年齢者雇用状況報告書を書く際の注意点

就業規則を確認する

高齢者雇用状況報告書を作成する際は、就業規則を確認してください。歴史ある企業の場合、就業規則が作られた時代の定年が60歳だったというケースもあります。

就業規則で定年が60歳と定められている場合は、速やかに改善し、定年の改定・廃止を予定している年月を報告書に記入してください。

この際、慣例や実態は含まれません。例えば、「××さんは65歳で定年になったが、我が社は慣例で10年前から70歳まで大部分の方が働いている」といった場合は、含まれないので注意してください。

逆に「今まで誰も利用したことはないが、就業規則では、65歳以上でも働ける規則が定められている」場合は確認のうえ、記入が必要です。

65歳以降の雇用確保措置について記入する

高年齢者雇用状況報告書では、65歳以降の雇用確保措置について記入する必要があります。この措置には主に『継続雇用制度』と『創業支援措置』の2種類があります。

「継続雇用制度」とは従業員が定年に達した後も希望すれば継続して働ける制度です。

一方、「創業支援措置」とは、業務委託として従業員が働きたい場合に利用できる制度です。定年した従業員を継続して雇用するのは難しいが、特定の仕事は依頼したいといった場合に活用できます。

なお、「顧問契約」は「業務委託契約」とは異なるため、混同しないように注意してください。

障害者雇用状況報告書を書く際の注意点

カウント方法に留意する

障害者雇用状況報告書を作成する場合は、前述したようにカウントの仕方に注意してください。特に、週10時間以上20時間未満の勤務をしている労働者のうち、法定雇用率にカウントされるのは、重度の身体および知的障がい者と、精神障がい者だけです。軽度の身体・知的障がい者はカウントされません。

障害種別や程度も把握する必要がある

障害者雇用状況報告書を作成する際、事業所側は人数以外にも人数、障害種別、障害程度を把握しなければなりません。障がいに関する情報はデリケートかつ個人情報です。取得に際しては利用目的を明確にするだけでなく、本人の同意が必要になります。

例えば、作成中の書類を誰でも見れるところに置いておかない、電子版で作成して保存する場合は、パソコンのセキュリティを厳重にするなどの対処が必要です。

特に、障害者手帳に関する情報は障がい者本人も報告しにくいケースがあります。報告を求める際は第三者の目がないところで聞き取りを行う、文章で提出を求めるなど工夫しましょう。

まとめ

今回は、通称「ロクイチ報告」と呼ばれる高年齢者・障害者雇用状況報告書の概要や提出が求められている事業所の条件、作成方法などを紹介しました。

基本的な作成方法は書類が送られてくる際に添付されています。また、社会保険労務士にもサポートを依頼できます。

毎年報告が必要なので、担当者にとっては面倒な業務かもしれません。しかし、高年齢者・障害者雇用状況報告書を作成することにより、就業規則や雇用状況の見直しにもつながります。

特に、就業規則に関しては「作っただけでそのまま」といった事業所も多いでしょう。また、障がい者を法令に基づいて適切に雇用している場合には、報奨金の支給対象となることもあります。

この記事を書いた人

サンクスラボ編集部

サンクスラボ株式会社が運営するメディアの編集部 。 障がい者雇用にかかわる情報を日々お届けします。

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