IT×福祉がひらく、スキルマッチで実現する“持続可能な雇用”のかたち
- 公開日:
- 2025.11.25
- 最終更新日:
- 2025.11.14
幼稚園・保育園、学童、放課後等デイサービスなど、多様な現場にクラウドサービスを提供するVISH株式会社。
現場の業務効率化とコミュニケーションの改善を支えるシステム開発を通じて、教育・福祉の分野でも存在感を高めています。
同社は2024年より本格的に障がい者雇用に着手し、サテラボのポジション人材育成型プラン(CDP)を導入しました。
現場の課題解決をクラウドで支える企業が見出した、スキルマッチで実現する“持続可能な雇用”の価値とは。
今回は管理部 シニアマネージャーの篠田様に、障がい者雇用への取り組みやサテラボの活用事例、そして組織づくりの展望について伺いました。
企業プロフィール
会社名:VISH株式会社
URL:https://www.vish.co.jp/
業種:クラウドサービス開発企業
従業員数:64名(契約社員を含む)
障がい者雇用で抱えていた課題:ITスキル人材の確保、法定雇用率の達成インタビューにご協力いただいた方
管理部 シニアマネージャー 篠田様
大学卒業後、住友系の自動車部品メーカーに入社。
人事担当として、採用、教育、人事制度、労務管理、海外人事など幅広い業務を経験。
その後、ITベンチャーで人事部長として経験を積んだ後、2022年より現職。
バックオフィスの責任者として人事、経理、法務、広報、総務など幅広い分野を管轄。
多様な現場の課題をクラウドで解決する、VISHのサービス展開
― 本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、御社の事業展開について改めてご紹介いただけますか。
篠田様:一言で申しますと、クラウドサービスの開発・販売をおこなう会社です。
幼稚園、保育園、学童保育、放課後等デイサービス、スイミングスクールをはじめとした各種習い事施設、さらには自動車学校など、ニッチながら社会に不可欠な領域に特化したサービス展開を行っており、現在では全国5,000以上の施設に弊社のサービスをご利用いただいております。
サービスの機能としては、請求や物販の管理、出欠管理、送迎バスの位置情報管理、保護者との連絡ツールなど多岐にわたり、現場の業務効率化を支援しております。
※同社が提供する代表的なクラウドサービスには、「バスキャッチ」「園支援システム」などがあります。
― 教育や地域インフラなど、さまざまな現場を支援されているのですね。
篠田様:はい。共通しているのは、「現場の煩雑な業務をITの力で支え、現場にゆとりと笑顔を増やす」という考え方です。
請求管理や送迎管理、保護者との連絡といった日々の運営に関わる課題をクラウドで解決しています。
その中で近年は教育・福祉の分野でもIT化のニーズが高まり、私たちの知見を活かせる領域が広がってきました。
― ありがとうございます。そうした流れの中で、福祉領域に向けたサービス「コノベル」を展開されたのですね。開発の背景や歩みを教えていただけますか。
篠田様:幼稚園向けのサービスを利用している福祉施設があり、それにヒントを得て放課後等デイサービス向けのサービスの開発を開始しました。
また、グループ会社(株式会社SHIFT)が障がい者雇用を積極的に推進している背景もあり、私たちも「現場の負担を減らし子どもと向き合う時間を増やす」ことに貢献したいと考えました。
現場課題を丁寧にヒアリングし、2022年6月にプレリリース、約1年間のモニター期間を経て2023年夏に本格提供を開始しました。
機能改善を重ね、現在は1,000を超える施設にご利用いただいています。
サテラボを通じたポジション人材育成型雇用と、取り組み開始の経緯
― 現在、サテラボを通じてどのようなかたちで障がい者雇用をされていますか。
篠田様:ポジション人材育成型プラン(CDP)での受け入れです。社内SEを主なポジションとして想定し、PHP資格の取得を目標に研修を進めています。
育成期間は2026年3月末までを予定し、その後は当社業務に本格的に取り組んでいただく計画です。
社内SEとして社内の業務改善をはじめとした様々な業務経験を積んでいただき、将来的には自社サービスの開発も担えるような人材に成長してほしいと考えています。
― 育成から実務への移行を丁寧に設計されているのですね。では、障がい者雇用の取り組み自体はいつごろどのような経緯で始められましたか。
篠田様:本格的な取り組みは2024年春からです。同年の採用予定人数が例年よりも多く、年内に法定雇用率の対象人数を超過することが明確であったため、急いで体制整備を進める必要がありました。
初めての取り組みだったため、どう進めるべきかを模索していた時期でもあります。
スキルマッチで実現する、企業と人材の“双方にやさしい雇用”
― なるほど、その状況下でサテラボ導入に至ったのですね。導入のきっかけや決め手を教えてください。
篠田様:きっかけは御社からのご連絡でした。ちょうど障がい者雇用をどう進めるか検討していた時期で、人材紹介会社の利用も視野に入れていました。
ただ、人材紹介ではスキルのミスマッチが起きやすく、「障がい者を雇用すること自体が目的になってはいけない」という懸念がありました。
せっかく採用してもスキルが合わなければ、本人にとっても企業にとっても続けにくい。
その点サテラボはITスキルを身につけた方が紹介されるため、双方にとってより良い雇用関係を築けると感じました。そこが一番の決め手でしたね。
また、初の障がい者雇用であり現場が不慣れである中、サテラボのスタッフの方が労務管理、タレントさんのメンタルケアなど、手厚く支援いただける点も非常に魅力と感じました。
― まさに“スキルを軸にした持続的な雇用”という考え方ですね。直接雇用ではなくサテラボを利用するメリットはどこにあると感じますか。
篠田様:サテラボを利用することで、スキル面でのミスマッチを防げる点が大きいと感じています。
スキルを身につけた方と出会えることで、受け入れ後の教育や定着においてもスムーズなスタートが期待できます。
また、求められる成果と報酬のバランスが取れるので、結果的に長期的な就労につながりやすいと感じています。
「現場と企業をつなぐ存在」としてのサテラボ
― 実際に利用してみて、人材や支援体制の品質はどのように感じていらっしゃいますか?
篠田様:研修を通じて拝見している限り、仕事に対する姿勢がしっかりしておりコミュニケーション面でも安心感があります。
労務や日々のフォローもサテラボのスタッフが丁寧に伴走してくださるため、社内の手間は最小化できています。総じて支援の厚みを感じています。
― 嬉しいお言葉をありがとうございます。企業・スタッフとしてのサテラボの印象をお聞かせください。
篠田様:障がい者雇用に不慣れな企業にとって、専門スタッフが間に入って適切にフォローしてくださる点は非常に心強いです。
私自身も過去に障がいのある方と一緒に働いた経験はありますが、特性への理解や配慮の仕方など分からない部分も多く感じていました。
そうした点をしっかり支えてもらえることで、企業としても安心して雇用に取り組むことができます。サテラボはまさに、現場と企業をつなぐ“橋渡し役”として価値の高い存在だと感じています。
「ゆりかごから墓場まで」を見据えて
― 最後に、今後の事業展望をお聞かせください。
篠田様:これまでは幼児教育や児童発達支援など若年層向けが中心でしたが、今後は介護や高齢者支援まで視野を広げたいと考えています。
送迎管理や記録、請求など、これまで培ってきた仕組みやノウハウが生かせる分野が多く、現場課題の解決という意味では共通点も多いと感じています。
いわば「ゆりかごから墓場まで」、人生の各ステージでVISHのクラウドが支える未来をめざし、開発にも着手しています。
― ありがとうございます。今後も御社の取り組みをしっかりと支援しながら、ともに新しい可能性を広げていければと思います。