「企業の仲間として共に働く」東京インテリア家具の障がい者雇用への挑戦
- 公開日:
- 2025.03.18
- 最終更新日:
- 2025.03.28

「企業の仲間として共に働く」。そんな思いを胸に、全国51店舗を展開する東京インテリア家具様は、障がい者雇用に取り組まれています。
同社では、制作業務を中心とした業務を通じて、障がいをお持ちの方が活躍できる場を広げるとともに、法定雇用率を満たすだけでなく、企業の一員として戦力化することにも成功しています。
今回は、人事課の大河原様、橋本様、早矢仕様と販売促進課の田村様に障がい者雇用の現状やサンクスラボをご利用いただくまでの背景について詳しくお話を伺いました。
企業プロフィール
会社名:株式会社東京インテリア家具
URL:https://www.tokyointerior.co.jp/
業種:家具小売業
従業員数:2.400名
障がい者雇用で抱えていた課題:業務の切り出しと法定雇用率の達成
インタビューにご協力いただいた方
人事課
大河原様(課長)
橋本様(課長代理)
早矢仕様
販売促進課
田村様
「お客様の生活を豊かにする」をコンセプトに全国51店舗を展開
―本日はよろしくお願いいたします。最初に、御社がどのような事業を展開されているのか伺えますか?
大河原様:当社は、「お客様の生活を豊かにする」というコンセプトのもと、全国に51店舗を展開しています。
北は青森県から南は九州・福岡まで、広いエリアで事業を展開しており、特に3000坪以上の大型店舗を中心に、地域No1の店舗づくりを目指しています。
扱っている商品は、ベッドやソファ、ダイニングセットといった大型家具から、スリッパや食器、照明といった雑貨類まで多岐にわたります。
さらに、店舗内にカフェを併設し、お客様がくつろぎながらショッピングを楽しめる空間を提供したいと考えています。お子様が遊べる大型のキッズランドも用意しており、お子様連れのお客様にも楽しんでご来店いただけるような工夫をしています。
また、独自のプライベートブランド「if」を立ち上げ、国内外のメーカーと協力しながら商品を開発しており、家具から雑貨まで幅広い商品を取り扱い、自由に楽しんで買い物ができる店舗づくりを目指しています。
法定雇用率未達成から1歩ずつ改善へ
―非常に幅広い商品を扱われているのですね。そんな中で、障がい者雇用に取り組むにあたって、どのような背景があったのでしょうか?
橋本様:障がい者雇用について本格的に取り組み始めたのは、約10年前からです。
当時は法定雇用率から大きく離れており、まずは現状を見直すところから始めました。
その際、障がい者雇用に詳しいベテラン社員が協力してくれたおかげで、ようやく改善に向けて動き出すことができました。それ以降、この10年間で少しずつ体制を整え、雇用率を意識しながら進めています。
スキルを活かした制作業務に従事
―改善に向けた取り組みを一歩ずつ進められてきたのですね。今回採用いただいた社員の方にはどのような業務を担っていただいていますか?
田村様:現在は私が所属する販促課の制作業務をサンクスラボさんと連携して進めています。
具体的には、Adobeのソフトを活用しながら店舗で使用する商品POPやポスターのデザイン制作をお願いしています。
制作業の経験がある方を採用しており、これまでの経験やスキルを十分に活かしていただいています。
社内の制作業務を任せられる点が自社にマッチした

―ありがとうございます。サンクスラボ(サテラボ)を導入したきっかけについても伺えますか?
早矢仕様:前任者が参加した展示会でサンクスラボさんを知ったのがきっかけです。
展示会で複数の企業の話を聞いたところ、サンクスラボさんは制作業務のような社内の業務を任せられるという点に魅力を感じたようです。
また、採用前に実務インターンを通じて業務のミスマッチを防ぐことが可能という点にも注目したようです。
インターンがあることで、雇用後に「イメージと違った」ということが起きにくいことが大きなポイントだったと思います。
田村様:当時その前任者からサンクスラボさんの話を聞き、障がい者雇用の中にも制作業経験者を採用できるサービスがあると知りました。
以前から制作経験のある人を採用できないかと相談していたというのもあって興味を持ち、ぜひ話を進めたいとなりました。
もともとは、現場の戦力強化のために販促課の人手が欲しいという思いが先にあったのですが、障がい者雇用も進めたいタイミングでもあり、双方向のニーズがうまくマッチしたのだと思います。
自社雇用だけでは業務の切り出しに限界を感じていた
―自社雇用という選択肢もあったと思いますが、なぜ当社のようなサービスを通じて雇用をしようと考えたのでしょうか?
橋本様:実は自社での直接雇用は相当数おこなってきてはいるのですが、業務の切り出しには限界を感じていました。
そこで、支援していただけるサービスの導入を検討し、農園型の雇用モデルも最初は考えましたが、収穫した野菜をどうするのかなど、その後の運用が難しかったため、別の選択肢を探していました。
そんな時にサンクスラボさんを見つけ、自社に合ったスキルを持った方を雇用できる点に魅力を感じました。POPやポスター制作ができる人材がいるとは想像していなかったので、そこは大きな決め手になりましたね。
手厚いフォローで安心して業務を進められる
―実際にサンクスラボを利用してみてどのような印象をお持ちでしょうか?
田村様:フォロー体制をきちんと整えてくださっている点は非常に助かっているなと感じています。
現場での業務が忙しいと、どうしても障がいをお持ちの方へのケアが手薄になりがちですが、サンクスラボさんの支援員の方が手厚くフォローしてくださるので、こちらも安心して業務を進められます。
また、精神障がいをお持ちの方の場合、コミュニケーションの取り方にコツが必要なことがありますが、支援員の方がその橋渡し役をしてくださるので、現場と障がい者の方との間に温度差が生まれにくいのも助かっています。
ただ、障がいをお持ちの方と直接やり取りをしたい場面で、支援員の方を交えなければならないという点は少し不便に思っています。特に、業務が立て込んでいるときは、直接すぐに話ができないことが少しもどかしく感じることはありますね。
今後の事業展望
―率直なご意見ありがとうございます。貴重なご意見を参考に、より良い連携体制を構築していければと思います。続いてのご質問は障がい者雇用とは離れますが、御社の今後の事業展望について伺えますか?
大河原様:私たち東京インテリア家具では、現在3000坪以上の大型店舗を中心に、地域の一番店を目指した店舗展開を進めています。
来年の夏頃には、東京都八王子に新店舗をオープンする計画があります。この店舗は、国内外のメーカーさんと協力して、これまでとはまた一味違う新しい形の家具店を目指しています。
さらに、最近では「&if-アンドイフ」という雑貨のみ扱う専門の店舗も立ち上げ、埼玉と千葉で2店舗を展開中です。こうした店舗はまだ実験段階ですが、将来的に多店舗展開も視野に入れています。
また、当社のコンセプトとしては「良いものを長く使っていただきたい」というのがあり、品質やデザインにこだわるのはもちろんのこと、ペットが引っ搔いてもほつれにくいソファなど、プラスαの付加価値を提供できるような商品開発も進めています。
こういった事業を通じて、今後も地域の皆様の生活に貢献していきたいと考えています。
障がいのある方への先入観をなくし「東京インテリア家具の一員」として活躍できる環境を整えたい
―家具だけでなく、カフェや子供が遊べるスペースがあるのは非常に楽しみですね。その中で、障がい者雇用について今後取り組まれていきたいことはございますか?
早矢仕様:実際に障がいのある方が働く姿を見たことがなかったため、サンクスラボさんを通して仕事に取り組む様子をお伺いしたり、農園型の別会社の職場を見学する機会をいただきました。
その経験を活かし、店舗で働くスタッフの障がいのある方への先入観をなくす取り組みを個人的に進めていきたいと考えています。
自身も店舗勤務時に、どう関わればいいか分からず戸惑った経験があり、同じように感じている人は多いと思います。そのため、実際に見たことを全国の店舗に広め、障がいのある方と自然に関われる環境づくりに努めたいと考えています。
橋本様:今後、法定雇用率の引き上げが予定されていることもあり、私たちとしても障がい者雇用をさらに進めていかなければならないと感じています。
ただ、それ以上に大事なのは、「東京インテリア家具の仲間」として障がいをお持ちの方々に活躍していただける環境を整えることです。
農園型雇用を採用しなかった大きな理由として、弊社の業務に直接関わり、「東京インテリア家具の一員」として働きながら賃金を得て生活できる環境を提供したかったからです。
今後も、企業の一員として戦力になれる仕組みをつくっていきたいと考えています。
精神障がいの方でも活躍できる可能性を実感できた
― 最後に、障がい者雇用に取り組む中で何か感じられていることがあればお聞かせください。
田村様:サンクスラボさんとの出会いには感謝したいなと思っています。この取り組みを通じて、精神障がいをお持ちの方でも、適切なフォローがあればしっかりと業務に取り組めることが知れたのは良かったと思いました。
これまで障がい者雇用というと身体障がいの方をイメージすることが多かったのですが、精神障がいをお持ちの方も社会で活躍できる可能性を広げられると実感しています。
どんな方でも平等に仕事を持って生活していける、そんなサンクスラボさんのようなサービスがもっと広がってほしいと思っています。
―そう言っていただけると私どもも嬉しく思います。本日はお忙しいところインタビューにお答えいただきありがとうございました。
取材日:2025年2月25日
※本記事の内容は取材時のものであり、組織名や役職等は取材時点のものを掲載しております。