広汎性発達障害(PDD)
広汎性発達障害は、PDD(Pervasive Developmental Disorders)とも呼ばれ、自閉症、アスペルガー症候群、レット障害、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害を含む総称です。
これらの障害は、対人関係やコミュニケーションにおいて特有の困難を伴い、限定された常同的、反復的な行動が特徴的です。
主な特徴
- 対人関係の困難
PDDの子どもは、他者との視線を合わせようとしない、他の子どもに興味を示さない、名前を呼ばれても振り返らないといった行動が見られます。定型発達の子どもが指さしで興味を示すのに対し、PDDの子どもはそれをしない傾向があります。 - コミュニケーションの障害
言葉の遅れや反復言語(オウム返し)が見られることが多く、会話は一方的になりがちです。質問に対してうまく答えられないこともあります。 - 常同的な行動と強いこだわり
特定の事柄に対する強い興味を持ち、同じ質問を繰り返すことがあります。また、日常生活の変化に対して混乱することもあります。
発見と診断
PDDの症状は幼児期に徐々に明らかになり、早期に診断されることが重要です。早期療育により、特性の根本的な治療は難しいものの、いじめや不登校、抑うつなどの二次的な問題を予防することが可能です。
早期療育の重要性
最近では、発達に課題を抱える子どもたちへの早期介入が増えています。療育を通じて、その子の特性を理解し、適切な接し方や環境改善が行われることにより、スムーズな生活が期待されます。
PDDは個々に異なる特性を持つため、専門家によるアセスメントが重要です。こうしたアセスメントを基に、子どもへの最適なサポート方法を見出すことが求められます。