【2025年10月開催】サンクスラボa型事業所成果発表会(博多、天神オフィス)
- 公開日:
- 2025.10.31
- 最終更新日:
- 2025.10.31
こんにちは!サンクスラボ編集部の江崎です。
サンクスラボa型事業所で働く障がいのある方(以下タレントと表記)の成果発表会を開催しました。
今回は博多、天神オフィスから6名のタレントさんに発表いただきましたが、その中でもEさん、Mさん、Nさんの3名の方をピックアップし、サンクスラボ入所前と後でどのように変化していったのか、ビフォーアフター形式でご紹介したいと思います。
過去の成果発表会の記事は以下からご覧いただけます。
>>成果発表会一覧
成果発表会の目的
成果発表会とは、企業人事担当者様をお招きし、サンクスラボで働くタレントさんの日々の取り組みを発表することで、具体的なスキルセット、人物イメージや採用イメージを深めていただくイベントになります。
障がい者雇用にイメージがわかない企業様に対しても、まずはライトにご参加いただくことで障がい者の正しい認知を広げるとともに、採用イメージを深めていただくことも可能となります。
タレント①:Eさん
自己紹介・社歴

Eさんは日本生まれ日本育ちのハーフで、創作活動を趣味とされています。オリジナルキャラクターやファンアートの制作を得意とし、イラストを通して自己表現することが好きです。
幼少期からコミュニケーションが得意ではなく、見た目の違いから孤立を感じることもあったそうです。不安障害や軽度知的障害を抱えながらも、「自分の力で生活したい」という思いを持ち続け、少しずつ環境を整えて努力を重ねてこられました。
サンクスラボ入社前

入社前のEさんは、強い不安や体調不良に悩まされる日々を過ごしていました。外出時の緊張や疲労が続き、体調を崩すことも多かったそうです。
対面でのやり取りが苦手だったため、就労移行支援事業所や病院では主にチャットでのコミュニケーションを行っていました。
それでも、自立への思いを諦めず、努力を重ねる中でA型事業所での就労という新たなステップへ進まれました。
サンクスラボ入社後

サンクスラボに入社してからは、少しずつ業務と環境に慣れていきました。
得意なイラストスキルを活かし、ポスターやデザイン制作などの業務を任せていただく機会も増えました。「自分の作品が必要とされている」と感じられた瞬間は、何よりの励みになったと話します。
また、在宅就労を目指して週1回の個別コミュニケーション訓練にも取り組んでおり、支援員と一緒に欠勤連絡や業者対応など実際の場面を想定した通話練習を行っています。
さらに、飲食店や宅配のロールプレイを通して挨拶や注文の練習を重ねることで、声を出すことへの抵抗が少しずつ減っていきました。今では短い会話や報告も通話で対応できるようになり、大勢の前で発表することもできました。
今後の目標
これまで磨いてきたデザインスキルをさらに伸ばし、企業の制作物やプロモーションなど、幅広いデザイン業務に携わることを目標とされています。
「見る人の心を動かすデザインで、企業や地域に貢献したいです」と話すEさん。在宅でも安心して働けるよう生活面の自立にも取り組みながら、引き続きコミュニケーションの練習も続けていくそうです。
「どんな環境でも前向きに挑戦し、自分の力で未来を描いていきたいです」——その言葉には、これまでの努力と自信が込められていました。
タレント②:Mさん
自己紹介・社歴

Mさんは2023年12月にサンクスラボへ入社しました。現在は在宅勤務でリスト作成業務を担当されています。
ADHDと抑うつ性障害を抱えながらも、以前は接客業や営業職など一般枠で働いてこられました。アロマテラピー検定1級やExcel・Word3級などの資格を持ち、前向きにスキルアップへ取り組まれています。
サンクスラボ入社前
入社前のMさんは、生活習慣の乱れやストレス、睡眠不足から体調を崩しやすく、仕事が長く続かない時期があったそうです。
「いつも120%で働いてしまう」ことから心身ともに疲弊し、週に2〜3日、1日3時間程度しか勤務できない状態が続いていました。
また、特性の理解が不足していたために同じミスを繰り返してしまい、自信を失っていたと振り返ります。
サンクスラボ入社後
サンクスラボに入社してからは少しずつ健康を取り戻し、仕事を楽しめるようになりました。
毎日の健康管理シートで心身の状態や睡眠時間を見える化することで、自分でも体調を把握しやすくなり、病院との連携もスムーズに。生活バランスが整ったことで、10か月間無欠勤を継続できるようになりました。
スキル面では支援員との対話を通じて苦手な部分の対処法を学び、時間やタスクの管理が上達しました。
腕時計を使って時間を意識し、付箋やルーズリーフで頭の整理を行うなど、具体的な工夫も実践しています。集中力が途切れそうなときはコーヒーを飲んだり好きな香りを嗅いだりして気分をリセットし、丁寧な作業を心がけているそうです。
「毎日が充実していると心から言える自分になれたことが一番の変化です」と笑顔で語ってくれました。
今後の目標

今後は、障がい者枠での一般就労を目指されています。
「安定した勤務と体調管理を続けながら、仕事も私生活も笑顔で前向きに過ごしたいです」と話すMさん。
サンクスラボで培った自己理解と生活リズムを大切に、次のステージに向けて着実に歩みを進めています。
タレント③:Nさん
自己紹介・社歴
Nさんはサンクスラボ博多オフィスで勤務されており、入社から3年が経ちました。
高校生の頃から同人誌イベントに携わるなど創作活動を生きがいとしてきましたが、コロナ禍をきっかけにうつ病を発症。加えてADHD(注意欠陥多動性障害)の診断を受け、自身の特性と向き合うようになったといいます。
現在は服薬治療を続けながら、仕事と趣味の両立ができる安定した生活を送っています。
サンクスラボ入社前

うつ病の大きな原因は金銭面にあったと話すNさん。衝動的な買い物で生活費が足りなくなり、ライフラインの停止を経験することもありました。
生活保護の申請を自分で行い最低限の生活を維持する中で、食事を取れない日が続いたり、熱中症で入院することもありました。
整理整頓が苦手で忘れ物や紛失が多く、出勤にも支障が出ることがあったそうです。
サンクスラボ入社後
入社後は支援員やパートナーのサポートを受けながら金銭管理を学び、金銭帳の作成や社会福祉協議会への相談などを通して生活を立て直しました。
破産手続きも無事完了し、「大変でしたが、人生でとても貴重な経験になりました」と振り返ります。
生活面では、ホームヘルパーによる支援を受けながら整理・整頓を学び、現在はグループホームで安定した生活を送っています。
仕事面では、企業リストの作成や商品データ入力、AIを活用した業務など、幅広い作業に取り組んでいます。時間を意識した行動を心がけるようになり、出勤も安定しました。
「毎日が楽しく、働くことへの前向きな気持ちが持てるようになりました」と話します。
今後の目標

将来的にはもう一度一人暮らしを実現し、生活保護を受けずに自立できることを目指しています。また、Excelなどの操作に自信を持ち、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)やITパスポートなどの資格取得にも挑戦中です。
「学ぶことが好きなので、無理なく続けていきたいです」と語るNさん。今後も日々の成長を積み重ねながら、自分らしい働き方を追求していかれます。
まとめ
今回の成果発表会では、Eさん・Mさん・Nさんそれぞれが、自身の課題と向き合いながら成長を重ねてきた歩みを語ってくださいました。
サンクスラボでの経験を通して見えてきたのは、「支援を受けながら働く」ことの先にある、自立と挑戦の姿です。
Eさんは、苦手だったコミュニケーションに一歩ずつ挑み、デザインという得意分野を社会に活かす力を身につけました。
Mさんは、健康管理と自己理解を重ねることで「無欠勤」という大きな自信を得ました。Nさんは、生活の立て直しから学びと挑戦へと進み、次の目標を明確に描いています。
3人の発表から伝わってきたのは、それぞれの努力の積み重ねと、自分の力で未来を切り開こうとする前向きな姿勢でした。これからも一人ひとりが自分らしい働き方を実現できるよう、サンクスラボは伴走してまいります。